問と解説: 前回  次回  【ホーム】
No.6244 意匠法
【問】  6D6_4
 甲は,令和5年3月1日に意匠イを創作した。甲は,令和5年6月1日に意匠イについて意匠登録出願をし,その後意匠登録を受けた。これに対し,乙は,令和5年4月1日に甲による意匠イを知らないで,自ら意匠イに類似する意匠ロを創作し,令和5年5月1日,事業Aを行う目的で,意匠ロの実施である事業の準備を開始した。その後,乙は,令和5年7月1日から,事業Aとは異なる事業Bを行う目的でも意匠ロの実施である事業の準備を開始した。この場合において,乙が,事業Bを行う目的で,意匠ロを実施するに際し,意匠イとの関係で先使用権が成立することがある。

【解説】  【×】
 意匠登録出願より前に同じ意匠を実施するための準備をしている場合には,先使用権として一定の権利が与えられるが,これは,同じ事業の目的の範囲内であることが要件であり,異なる事業である場合は,先使用権が成立することはない。
  参考:Q5884

 (先使用による通常実施権)
第二十九条 意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をし・・・て,意匠登録出願の際・・・日本国内においてその意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は,その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において,その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する
【ホーム】   <リスト>
R7.11.23