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No.6092 特許法
【問】  6P14_2
  甲は,発明イ及びロをし,明細書及び特許請求の範囲に,それぞれ発明イのみを記載した特許出願Aをした。特許出願Aの出願の日の後であって,特許出願Aが出願公開される前に,甲は明細書に発明ロを追加する補正をした。甲が明細書に発明ロを追加する補正を行った後であって,特許出願Aが出願公開される前に,乙は,特許請求の範囲に自らした発明ロを記載した特許出願Bを行い,その後,特許出願Aは出願公開された。 この場合,特許出願Bは,特許出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶されることはない。

【解説】  【○】
  拡大された範囲の先願としての機能を有するのは,出願当初の明細書等に記載された事項であり,出願後に追加された発明については,適用がない。従って,特許出願Bは,特許出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶されることはない。
  参考:Q4642

(特許の要件)
第二十九条の二 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開・・・の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては,同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは,その発明については,前条第一項の規定にかかわらず,特許を受けることができない。ただし,当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは,この限りでない。
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R7.6.14