22 「意志」と「意思」の使い分け

 何かしようという気持ちを表す語に「いし」というのがある。これを漢字で書き表す場合,「意志」と書かれたり,「意思」と書かれたりするが,一応の使い分けがある。
 まず,「意志」の方は,知識・感情と対する精神作用のことである。
 それは,物事を行おう,又は行うまいとする積極的な気持ちであって,「意志の強い人」「意志の弱い人」,あるいは「意志強固」「意志薄弱」などと用いる。
 これに対し,「意思」は法令の用語である。それは,物事を行う場合,又は行わない場合に,その元になるはずの気持ちを法律的に見た立場での名づけ方である。
 それは,法律上の効果を発生させよう,又は発生させまいとする積極的な気持ちのことである。
 「承諾の意思がある」「意思を表示する」,あるいは「意思の有無を問う」「意思がない」などと用いる。

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