21 「精算」と「清算」の使い分け

 「精算」の「精」は,「精細」などと用いる場合の「精」と同じく,「くわしい」という意味である。したがって,「精算」というのは,「くわしく計算する」ということである。つまり,「概算」という形で大まかに計算したものに対し,後で細かく計算して過不足を明らかにし,それを受け渡しする場合に用いる。
 例えば,「費用を精算する」「運賃を精算する」などとするのがその用例である。
 これに対し,「清算」の「清」は,本来「清掃」などと用いる「清」と同じで,「きよめる」という意味である。そうして「清算」の場合には,その「きよめる」から転じて,「整理する」意味に用いられる。したがって,「清算」の方は,財産関係を整理し後始末を付ける場合に用いられる。

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