20 「聞く」と「聴く」の使い分け
漢字の意味としては,「聞」は,「音声を耳に感じとる(こと)。受け入れる(こと)」であり,「聴」は,「自らきく気になって,念を入れて詳しくきく(こと)」である。したがって,「(自然に,あるいは,きく気になっていないのに)耳にきこえてくる,きこえる」の意の場合には,「聞」を用い,「聴」は用いないのが普通である。
また,「聞」は「きく」として,一般的に広く用いられ,漢字の熟語としては,「見聞,風聞,新聞,そく聞,伝聞」などがある。
「聴」は,従来から,「音楽を聴く」,「相手の話などを心して聴く」などの場合に用いられ,漢字の熟語としては,「事情聴取,公聴会,聴診器,聴音機」など,いずれも,耳を傾け,注意を集中してきき取る意の場合に用いられている。