17 「おおぜい」は,「大勢」と「多勢」のどちらが正しいか

 「大勢」が正しい書き方である。
 「大」と「多」とは訓が同じである上に,一方で「多勢」と言う意味の漢語もあることから,一般に誤って書かれることが多く見られる。
 本来,「多勢」は「無勢」の対語であり,「大勢」は「小勢」の対語である。同様に,「多人数」は「少人数」の対語であり,「大人数」は「小人数」の対語である。
 したがって,「おおぜい」「おおにんずう」の場合は「大」を書くのが正しい。
 このほか,訓が同じで,字義が似ていることから誤って用いられる例としては,次のようなものがある。

 (右側が正しい書き方)
Aコートの勝者を敗って優勝 破って
彼の変わりに僕がやる。 代わり
環境の変化に供なって 伴って
50年間を返り見て 顧みて
大阪の役に破れた 敗れた
名誉や信用が犯された 侵された

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