18 「越える」と「超える」の使い分け

 「越」の意味は,「ものの上を過ぎて向こうへ行く」という意味で,「山を越える」,「川を越す」,「跳び越す」などと用いるのが本来の用い方である。
 そして,比ゆ的に「年を越える」,「冬を越す」,「難関を越す」とも用いる。さらに転じて,「来る・行く・優る」などの意味で,「どうぞお越しください」,「引っ越す」,「それに越したことはない」などと用いる。
 これに対し「超」の方は,「一定の分量を過ぎてその先へ行く」という意味で,「限度を超える」,「百万円を超える金額」,「百万人を超す人口」などと数量的限定をする場合に用いるのが本来の用い方である。そして,比ゆ的に「現代を超える」,「人間の能力を超える」とも用いる。
 したがって,数量的な限定の場合と,例として挙げたような比ゆ的な用い方の場合に「超」を用いると考えればよく,その他の場合は,すべて「越」を用いる。

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