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No.5866 商標法
【問】  6T4_1
  商標権者が故意又は過失により自己の商標権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その侵害が指定商品に類似する商品についての登録商標の使用によるものであるときは,商標法第38 条第5項の規定に基づき,その商標権の取得及び維持に通常要する費用に相当する額を,商標権者が受けた損害の額とすることができる。

【解説】  【×】
  権利侵害によって,権利が不毛の物となることもあることから,権利侵害によって生じた損害は補償することが必要であり,権利取得費用も損害として含めることが必要な場合も生じる。しかし,商標権は登録商標と同一の商標について独占権を有するが,類似範囲については独占権を有せず禁止権があるだけであるから,38条の規定による費用を請求することはできない。
  参考:Q5060

(損害の額の推定等)
第三十八条 商標権者又は専用使用権者が故意又は過失により自己の商標権又は専用使用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その者がその侵害の行為を組成した商品を譲渡したときは,次の各号に掲げる額の合計額を,商標権者又は専用使用権者が受けた損害の額とすることができる。
5 商標権者又は専用使用権者が故意又は過失により自己の商標権又は専用使用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その侵害が指定商品又は指定役務についての登録商標(・・・)の使用によるものであるときは,その商標権の取得及び維持に通常要する費用に相当する額を,商標権者又は専用使用権者が受けた損害の額とすることができる
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R6.11.7