【要旨】 特許法101条2号所定の間接侵害について、ソフトウェア「一太郎」をインストールしたパソコンが特許発明である情報処理装置の構成要件を充足するものであり、情報処理装置に係る特許発明による課題の解決に不可欠なものをインストールすることは、パソコンの生産にあたる。 |
【判示】 「一太郎をインストールしたパソコン」は,本件第1,第2発明の構成要件を充足するものであるところ,控訴人製品は,前記パソコンの生産に用いるものである。すなわち,控訴人製品のインストールにより,ヘルプ機能を含めたプログラム全体がパソコンにインストールされ,本件第1,第2発明の構成要件を充足する「控訴人製品をインストールしたパソコン」が初めて完成するのであるから,控訴人製品をインストールすることは,前記パソコンの生産に当たるものというべきである。 特許法101条2号所定の「日本国内において広く一般に流通しているもの」とは,典型的には,ね じ,釘,電球,トランジスター等のような,日本国内において広く普及している一般的な製品,すなわち,特注品ではなく,他の用途にも用いることができ,市場において一般に入手可能な状態にある規格品,普及品を意味するものと解するのが相当である。 本件において,控訴人製品をヘルプ機能を含めた形式でパソコンにインストールすると,必ず本件第1,第2発明の構成要件を充足する「控訴人製品をインストールしたパソコン」が完成するものであり,控訴人製品は,本件第1,第2発明の構成を有する物の生産にのみ用いる部分を含むものでるから,同号にいう「日本国内において広く一般に流通しているもの」に当たらないというべきである。 |
【解説】 ★ |