【要旨】 既払の契約金及び実施料不返還の特約ある場合,権利が無効とされても契約の締結の意思表示に錯誤があつたものと認めることはできない。 |
【判示】 :既払の契約金及び実施料不返還の特約ある場合,将来無効となる場合を予期して認識し合意されたものであるときは,実用新案登録が無効とされても契約の締結の意思表示に錯誤があつたものと認めることはできない。 原告は,被告と同業他社との間に本件実用新案登録の有効性について紛争が存在し,既に無効審判の請求がされていたことを認識していたばかりか,自らもその有効性について疑念を有していたというのであるから,それにもかかわらず,最終的に本件契約を締結するに際し,前記の不返還の約定について合意したことからすれば,原告は,この約定により,将来本件実用新案登録について無効審決が確定することがあっても,既払の契約金及び実施料の返還を受けることはできなくなることを当然認識していたものと認めるほかはない。 |
【解説】 ★ 即席ラーメンの大手,日清食品と東洋水産の事件 |