No49 大森林事件
 商標類似:最三040922  :著作権法
【要旨】  商標の類否は,同一又は類似の商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきである。
【判示】  商標の類否は,同一又は類似の商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきであり,しかもその商品の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものであって(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷),綿密に観察する限りでは外観,観念,称呼において個別的には類似しない商標であっても,具体的な取引状況いかんによっては類似する場合があり,したがって,外観,観念,称呼についての総合的な類似性の有無も,具体的な取引状況によって異なってくる場合もあることに思いを致すべきである。
  本件商標と被上告人標章とは,使用されている文字が「森」と「林」の二つにおいて一致しており,一致していない「大」と「木」の字は,筆運びによっては紛らわしくなるものであること,被上告人標章は意味を持たない造語にすぎないこと,そして,両者は,いずれも構成する文字からして増毛効果を連想させる樹木を想起させるものであることからすると,全体的に観察し対比してみて,両者は少なくとも外観,観念において紛らわしい関係にあることが明らかであり,取引の状況によっては,需要者が両者を見誤る可能性は否定できず,ひいては両者が類似する関係にあるものと認める余地もあるものといわなければならない。

【解説】  ★ H14−50T
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