証拠の成立<しょうこの せいりつ>


原告の主張の認否は、答弁書や準備書面で行いますが、原告が提出した証拠方法(主に「文書の写し」)については、口頭弁論や準備手続の場で、裁判長(官)から、成立を認めるか否かの認否を促されます。
この場合の「成立」とは、その文書が真正に成立したものであるか(形式的証拠力)否かを問われていることに留意してください。内容の信憑性(実質的証拠力)が疑わしい場合でも、文書の成立については「認める」とするのが通例です。
信憑性については、別途、反論・反証をすることになります。
証拠の成立の認否で「争います」などと答えてしまうと、被告は、その理由を明らかにしなければならず(民訴規則145)、その文書が作成された事実自体を争うことになり、反証に窮することにもなりかねません。
また、「不知」とした場合は、争ったものと推定され(民訴159-2)、その理由を明らかにする必要があり(民訴規則145)、それをしないと、規則違反とされ、弁論の全趣旨で「成立の真正」が認められてしまうことにもなりかねません。
証拠の成立を「不知」とするときは理由を明らかにして反証しなければなりません。

民訴159−2
民訴規則80
民訴規則145