上告・上告受理の申立て<じょうこく・じょうこく じゅりの もうしたて>


現行の民事訴訟法(平成10年1月施行)では、最高裁判所が、憲法判断及び法令解釈の統一確保というその本来的機能と役割を果たすことができるよう、上訴(上告・上告受理申立)の理由が厳しく制限されています。
(上告できる理由は、高裁判決に憲法解釈の誤り又はその他憲法違反があること、及び重大な手続違反があること等に限られ(民訴312)、高裁判決に最高裁の判例と相反する判断がある事件、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件等については、最高裁は、上告受理の申立てを受理することができるとされています(民訴318条))。
審決取消訴訟は、行政事件であり、「国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律」により、法務大臣の訴訟指揮を受けます。
一方、最高裁への上告(受理の申立て)期間は、判決書の送達を受けてから二週間以内とされています。
このため、特許庁が上告受理の申立てをする場合には、判決の送達日から1週間以内に、上告受理申立理由のとりまとめ、庁内決裁、法務省への訴訟追行依頼等を行わなければなりません。
したがって、実務に重大な影響が出そうな判決が予想される等の場合には、あらかじめ訟務室と相談することが必要です。

民訴312
民訴318